日本からの中古車輸出ビジネスにおける消費税還付の相談

海外から日本の税金に関する問い合わせで比較的多いのが、「日本から中古車を輸入して途上国で売る際の日本の消費税をどうしたら還付できるか?」というテーマです。スリランカ、ニュージーランド、パキスタン、カリブ海諸国あたりからの問い合わせが多いです。そういえば、日本の中古高級時計を大型質店で買い入れるという話もありました。

Japanese consumption tax refund – export second handed cars and watches

本来、日本からの輸出物品には消費税が課税されないことになっています。輸出免税としてゼロパーセントの消費税なのです。しかしながら、実際には、日本からの請求書に、なぜか8%の税金がしっかりとオンされています。

そこで、「税金がかからないはずなのに、なぜ消費税を付加して請求されるのか、どうしたら還付してもらえるのか?」という問い合わせが少なくない、という話につながります。

 

<目次>

 

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1.日本車は丈夫なので中古車海外輸出ビジネス(特に解体)は儲かる!

「中古車輸出前年比19.1%増 UAEが2ヶ月連続で首位」

www.goonews.jp

によると、「日本中古車輸出業協同組合がまとめた7月の中古車輸出台数は、前年比1万7140台増の10万6865台となった。仕向け国別では、アラブ首長国連邦が2か月連続で首位となった。同国は、前年比1.9%減の1万622台。2位ニュージーランドは、前年比4.0%増の1万262台となった。3位はミャンマーで、輸出台数は前年比で28.6%増加した。
全体の前年比では、19.1%の増加。上位20カ国で伸び率が高かったのは、キプロス(2.6倍/361台→946台)、タイ(2.3倍/406台→927台)、パキスタン(2.3倍/3582台→8137台)、で、アジア、ヨーロッパ勢などで輸出台数を伸ばした。その一方で、シンガポール、グルジアなどが大きく減少した。前月(6月)比較では、全体で8.2%の減少となった。」ということです。

実際に、中古車を海外に輸出していた元クライアントさんの話では、順調に台数を裁くことができれば、かなり儲かるといことでした。このクライアントさんは、リーマンショックのあおりで本国での銀行借り入れが縮小されたため、日本でのビジネスも縮小せざるを得なくなり、一時日本からの購入をやめました。その際に当方のクライアントさんではなくなりました。日本の中古車市場で大量に車を仕入た車を船積みまで保管するためヤード(=駐車場)を購入し、その後解体のための自用地も購入する計画でしたが、残念でした。中古車関係でも、解体ビジネスが一番儲かるのだそうです。日本で解体すれば、バラシて使える部品だけを輸出できます。解体しなければ車ごと運ばなければなりません。コンテナ1本いくらという船賃なので、車本体を縦や横に切断して詰めるだけ積み込むのですが、部品にバラシタときほど効率よくありませんからね。

 

2.輸出に係る消費税は免税が原則

 

適正な手続きを経た輸出物品は消費税がかかりません。輸出免税といってゼロ税率が適用されるので、輸出する物品の請求に際しては消費税が付加されないはずです。

 

No.6551 輸出取引の免税|消費税|国税庁

 

しかしながら、実際には、消費税が上乗せされているケースが少なくないようです。

その理由としては、経験からいうと、「日本側で輸出を扱う人(個人が多い+小規模個人会社) が、消費税申告をして還付してもらう手続きをしていない」というところにあります。そのため、海外の業者(=当方に質問してくる側)が日本の仕入れ先(=輸出業者)に「輸出免税で消費税ゼロのはずだから8%分は返してくれ!」といっても対応してもらえない現状になってしまっているのです。

 

中古車輸出の際の必要書類と手続き:日本 | 貿易・投資相談Q&A – 国・地域別に見る – ジェトロ

 

<原因と背景>

※下記のような理由により、現実には、「輸出は免税」が通じない取引の世界となっているのが実態です。ある程度の事業規模が見込めないとなかなか難しいビジネスです。

①日本から中古車を買う側が、日本に子会社を設立(=国内で自動車の中古市場に参加するには、警察に古物商の認可申請が必要)して消費税の確定申告をすれば還付されるが、その場合、法人税等の申告もしなければならない。子会社の維持費を賄うためには、その分の固定費を回収できるだけの売上利益が必要となる。そこまでの事業規模は見込めない。
②日本に子会社を持たない場合、中古車を直接調達できないので、知人(=日本人女性と結婚し、古物商の認可を得た同国人から購入代行してもらうケースが多い)から購入し、輸出してもらうことになる。本来は、その知人から輸出として購入する際には輸出免税扱いなので消費税はかからない。しかし、その知人は、個人事業としている者が多く消費税の申告していないため、代価は消費税込みの金額となってしまっている。

 

<消費税負担の有無で大きく変わる利益率>

※具体的な数字で流れを説明します。
中古車マーケット(=自動車オークション)にて20万円でトヨタ車を買います。国内での購入なので、8%の消費税がかかり代金は21.6万円となります。オークション費用やリサイクル費用などの諸経費、さらに日本から輸出の船賃や本国での輸入代金として1台あたり10万円かかったとします。合計原価は30万円+消費税1.6万円です。
これを本国にて40万円で販売したとします。消費税を負担したままだと利益率は21%、消費税の還付を受けると25%です。
消費税の還付を受けられるか否かで利益率が大きく変わってくるのです!!

 

3.消費税申告をとして輸出物品に消費税を上乗せしなければ注文が殺到するかも!?

 

<原則:輸出に消費税はかかりません>

輸出される物品(中古車)に消費税はかかりません。でも、オークションで購入する際は国内の売買なので、消費税がかかります。ただし、輸出免税なので、消費税の確定申告をすれば消費税は還付されます。
しかしながら、上記2②で記載した小規模業者が多いため、立ちはだかる現実の壁となっています。

JETRO日本貿易振興機構の貿易・投資Q&A「Q輸出における消費税の免税と還付手続きについて教えてください。」でも、還付手続きについて説明がされています。
「A. 国内取引では6.3%の消費税(国税)と1.7%の地方消費税、合わせて8%の消費税がかかります。しかし、輸出取引にあたる場合は、消費税が免除されます。これは消費税は国内で消費されるものに対して課税するが、外国で消費されるものには課税しないという考えに基づくものです。これを輸出免税といいます。
輸出免税はモノの輸出以外にも、国際輸送、国際電話など、外国に向けて行うサービスに対しても適用されます(消費税法第7条)。
税務署に届け出た消費税の課税事業者は、輸出のための仕入商品に課せられた消費税、および輸出業務や事業のために支出した諸経費への国内消費税を、所轄の税務署長に申請し還付を受けることができます。輸出取引の区分に応じて輸出許可書等の証明書が必要です。」
詳細は、輸出時の消費税:日本 | 貿易・投資相談Q&A – 国・地域別に見る – ジェトロ

<日本の輸出業者が儲かるチャンス!>

中古車輸出のカリブ海国のクライアントさんのサポートをしていた時分、下記のようなセミナーで勉強してみようかとも思いました。現実にはこうした商売には向かないので実行する予定は皆無でしたが。。。

biz.tradecarview.com

輸出に際してそのまま8%の消費税を上乗せしている業者が多い現状では、自身が輸出免税ゼロ%の請求をする業者として事業を行えば、繁盛するかもしれません。中古車を見る目がある方は、ご一考かも!?

Comments are closed. Posted by: yamajo on